2022年4月15日金曜日

ついに果たした「春」との再会

先々日書いたように私の今回の旅行の目的地は、タルコフスキーの映画の撮影地のバーニョ・ヴィニョーニだったが、もう一つの要件はフィレンツェのウフィチィ美術館、特にボッティチェリの「春」。私は大学時代に初めてイタリアに旅行して以来、あまりの観光客の多さにおじけて入ったことがなかったのだが、「春」は19世期に使われたニスのため全体が茶色くなっていたのを(つまり私はかつてそれを見ていたはずだがたいして覚えがない、泰西名画ってのは茶色いものだと思い込んでいたし)、80年代に修復されて鮮やかな色を取り戻したことを写真で見知っていたのだが、、、今はルーブルもがら空きだから、ウフィチィだって。「このコヴィッドのもたらした千載一遇のチャンス(?)を生かさなくてボッティチェリが泣く」とパリの昨年秋ジャックマール・アンドレ美術館のボッティチェリ展を見たときに思った。この展覧会のことは10月5日の投稿に2行書いただけだったが、結構混んでて、かつ同行人(ハンディキャップのあるご婦人でそのおかげでタダで入れてもらえる)に「このヴェールが、、」なんて絵の前で指差したら大声で監視に注意され、「注意人物」とみなされて以降本当に感じ悪かったのだ。ウフィッチ美術館、私の着いた6日の昼は「春」の前にも「ヴィーナスの誕生」の前にも、ガイド付きグループ、修学旅行(?)の若者をいなせばこの写真の通り。来てよかった! (アドバイス:団体はランチを普通の時間に取るのでそれが狙いどきのような気がするが、私の言ったのは予約もなしですぐ入れた特別な状況下だから参考になるかどうか)

ウフィチィ美術館、ボッティチェリの「春」の間

ウフィチィのこと夕食を食べつつ以下のメモを携帯にしたが、これは掘り下げず自らの備忘録としてコピー(だから読まなくて良いです):

名画は名画なのかなー
驚いたな〜、波いるルネッサンス名画が並ぶウフィチィ美術館、私の好みではやっぱり胸を肌けた女神が真ん中に御座する「ヴィーナスの誕生」の方かなと思っていたが圧倒的に「春」に驚いた。やっぱりボッティチェリは透かしヴェールの布のたなびきが、、、それにこの絵には金箔テクニックもあるし。次のびっくりはホールに入ってはっとしたダヴィンチが17歳で描いた受胎告知。なんでも出来る彼だが若年だったからかシンプルに、かつ遠近法が遠くの山に向かっていくのはスピリチュアルじゃないかい?そして最後が。ドラマチックすぎて特に好きな作家ではなかったカルヴァジオの首切りのジュディスは想像を越す驚きだった。まあともかく本物は違う。この三作はそれぞれの時代を画して美術史を斬っている。カルヴァジオが油を注いだ感もあるが最盛期の後に生まれた作家は奇に走らざるえず堕落する(現代美術も同様)
後期:首切りジュディスは、カルヴァジオも同じテーマで描いていますが、ウフィッチのはカルヴァジオでなく、カルヴァジオ派の画家アルテミジア・ジェンティレスキ Artemisia Gentileschi でした!失礼失礼。当時には稀な女性画家で大変な人生を過ごしています > ウィキなどを参考に
 
レオナルド・ダ・ヴィンチ『受胎告知』

カラヴァッジオ「ホロフェルネスの首を斬るユディット」

 
 
ついでに私の好きなピエロ・ディ・コジモの「アンドロメダを救うペルセウス」
 
ピエロ・ディ・コジモ「アンドロメダを救うペルセウス」

ウフィツィ美術館の回廊

イタリア紀行、キリないのでこれにてさようなら

ところで昨日会った人たちは「ノスタルジア」は昔見たけど温泉なんてあったかな?って答えで。 あの映画から温泉消したら何が残るのだろう? 僕なんかは古い映画(新しいのも)、見たかどうかも忘れてしまうことが多いから人のことは言えないが(笑)

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