2016年4月29日金曜日

葡萄酒は土壌?


シャンパーニュ地方で不思議に思ったことがあった。葡萄畑の表土にガラスかタイルの破片のように見えるものが一杯光っていたのだ。葡萄栽培に良いなんて思えないし、、、?

そうしたらちょうど偶然TVニュースで、ロゼワインで知られる南仏コート・ドゥ・プロヴァンスの葡萄農家が建築業者から瓦礫を引き受け、副収入としていることの報道があった。危険物質が含まれない限り違法にはならないのだが、地名を冠し、「葡萄酒は土壌と気候」と世界のワインに対していつも胸を張っているフランスワインが「他所から運ばれた土を混ぜて作るとはなんじゃいな?」 いわんやそれが瓦礫ではねー。
次のビデオがその放送




物知りのMさんによると「シャンパーニュでも同様のことがある(あった?)。そもそもシャンパーニュは石灰質の痩せた土地で、シャンペン向きのブドウ以外は育たないからねー」とのことなのだが、それだからいいことにはなりませんよねー。Mさんの言が本当か「シャンパン」と「瓦礫」をキーワードに情報検索してみたのだが、なかなかコート・ドゥ・プロヴァンスのようは話に行き当たらない。
やっと見つけたのが1995年のリベラシオン紙の9月の記事(source)。これによると「90年代前半までシャンパーニュ地方ではパリなどの大都市のゴミをどんどん引き受け、生ゴミで土壌を豊かにすると同時に瓦礫でと土地の浸食を防ぐということが広く行われていた!!!」 専門家の分析では「味には関係しない」(笑)とのことだが「流石に高級品のシャンパンのイメージにそぐわないから行われなくなった」ということで、、、私の見たのはその残存だったのか???(土地に混ざった瓦礫はそのまま残るでしょうから)

と言う訳で「葡萄酒は土壌と気候」とよく言われるが、結局土壌なんか関係なく気候あるのみということではないか! そうなると地球温暖化をもっと心配した方が良い。そのうちボルドーでもとんでもないワインしかできなくなるかも。

2016年4月25日月曜日

ちょっと一言、近況報告

ちょっと間があいてしまったので近況を少し。

最近色々なことに振り回されて、、、というか自分で自分を振り回しているところも多いのだが。先ずは大きな卵を2つも産んだ。というのも南仏プロヴァンス(リュベロン)のアート作品一杯のB&B(かつ画廊)のChambre Avec Vue にイースターで飾ったらと送った3つの卵(イースターには卵がつきもの)の2つが売れてしまって、他にないかと問い合わされ、、、産むしかないか?!?
実は売れたのには全然驚かない。というのも銀行の展覧会でもこの二つは一番人気で幾つか口約束はもらっていたのだが、如何せん仲介役のフォローがないから話はちょん切れ。それが南でやっと孵った感じ。
人気のあった2つの卵は絵の右側
卵は2014年制作「今日世界は生まれた」シリーズだったが、新しい作品は別物:以前より真ん中の区切りを強調した「水平線」シリーズ。
昨日今日はまた暖房を入れ真冬用ダウンを着る寒さに戻ってしまったのだが、1週間前はぽかぽか陽気で塩も小粒ながらしっかり結晶。そしてできたての卵をシャンパーヌ地方の中心都市ランスReims まで配達(ランスにガーナのワークショップの同輩であったフランク君がシャンパン会社の事務所に作品の設置をしていて、そこへ画廊の人も来ることになっていたので)。今やTGVでパリから45分!あまりの近さに驚き。
ランスは歴代のフランス王が戴冠した大聖堂で有名だが、「微笑みの天使」の写真に馴染みすぎていて行ったことがあると思い込んでいたが、街に出てやはり初めてだったことを確認。大聖堂正面はあらまー、工事中でした。この日も天気がよくて、久しぶりに田舎を散歩した。

写真:大聖堂は戦災にあったからだろう、現代ステンドグラスが多く、これはシャガールのもの。晩年作にしては職人の腕がよかったのか、意外にちゃんとしていた(笑)

そしてパリに戻り、この調子で「一気にテーマ展用のドンキホーテの大作も」と連日がんばったのだが結果はもう一つ二つで、、、。画廊スペースはどんなかと見に行ってみたら「小さい」と言われてはいたが思った以上に小さくて天井も低く、一つで十分と「個人的」に結論(一つなら「なんとな〜くドンキホーテ」の昔の作品があるのです)、これにて一件落着。がんばる必要なかった。

4/10記のサンドニの画廊からは「次の展覧会予定まで間があるから個展をしよう」と突然言われ、その気になって何を新たに飾るかを考えたのだが、急なうえに、よくカレンダーを見ると祝日などがあり開廊日は僅か3、4日。「これはやるに及ばない」と結論。言い出しっぺの画廊も意外に簡単に納得。なんだこれ?

作品設置中の Frank Morzuch
そして私が2012年以来やめてしまったランドアートのフェスティバル、久しぶりに「まさか入るまい」と安心して出したラフな企画が通ってしまった。これも現地制作4-5日という「私の哲学」には相容れないものなので、「魂を売っていいのかな?」と一晩自問したが、「見知らぬ地方に行けるし、野外制作は健康的だし、ペイもいいか」という安易な考えで受諾(かつコチラが提案したの話ですからね〜)。しかし具体的に全く考えていないので水曜からボルドーを流れる開催地のジロンド川の河口地方へ行く。こういうイベントは「村興し」を兼ねているのでまたまた辺鄙な場所で、視察は迎えに来てもらえるけど制作時はどうしたらいいんでしょうね???(こんなことも担当者と相談せねばいけませんので9月の話ですが即視察です)

こういう自分の話はウラを取らなくても良いので、一言のつもりが長くなりました☺


関連投稿
上記プロヴァンスのB&Bのイースターに関しては旧ブログの
http://blogs.yahoo.co.jp/eizoart/67420631.html
とその次の投稿(矢印をクリック)をご参考に

関連する新作デッサンに関しては「毎日の作品」の4/16
http://eizodessine.blogspot.fr/2016/04/horizon-paleozoique.html
前後をご覧下さい

後記:ランスとは余程性が合ないのか何年か前はアミアンと勘違い、今回は間違えて、昨日レンヌと書いていました。大間違いを指摘してもらい訂正しました

2016年4月11日月曜日

I ♥ Bernard

J'aime le batiment de la Fondation LVMH. Donc j'ai écrit sur elle (article du 2/11/14) mais je l'ai fait également sur l'histoire de la concession du Jardin d’acclimatation(réf) et sur Monsieur Bernard Arnault (article du 15/05/15) pour les lecteurs japonais.
En fait le premier est un article le plus consulté dans mon blog, par contre le dernier est très peu lu. Dommage, donc je fonce le clou.

統計によると私のブログで最も読まれているのは2014年に開館したルイ・ヴィトン財団の美術館に関する記事(2014/11/02)で、ヴィトン財団の代表取締役のベルナール・アルノー氏(Bernard Arnault)のことを書いた2015/5/23の記事は殆ど読まれていないのは残念至極と思っていたのだが 、彼に捧げられた映画「メルシー パトロン」が現在パリで上映中。

映画は美術館とは全く関係なく、I love Bernardをスローガンにアルノー氏と系列企業の底辺の労働者との会話を築こうとする(笑)、François Ruffinのドリュメンタリー映画。仏北東部のピカルティ地方の「KENZO(高田健三)」の服を作っていた系列企業を2007年にポーランドへ生産拠点を移すことで工場閉鎖、その結果失業し借金で家を売るしかなくなった夫婦をRuffin氏が悪知恵(?)でヴィトングループにプレッシャーをかけて助けるお話。

こんなマイナーな映画が何週間も上映されるに至ったのは3/8に触れた「労働法改正法案」反対運動と、それに触発されてフランスでも遂に起った先週以来毎日レパブリック広場を占拠し始めた「99%」的な反制度運動が背景にある。この流れはフォローできていなくて、、、
その一つの理由は、実はHD化でテレビが使えなくなって、、、あまり必要ないから最低25€するらしいアダプターを買わずお釈迦にするかと思っているのだが、今回は6月からサッカー、ヨーロッパ杯があり、前回の地上デジタル化のときは南アでワールドカップがあった。「サッカーと連動させるのはずるい!」と一人で叫んでいます




メルシー、ベルナール とはいえ私は軟弱で(?)「坊主憎けりゃ袈裟まで憎し」ということがないことは以下の投稿を読んでもらえれば分かります。

 
ヴィトン財団 関連投稿 
フランスの新名所 ルイ・ヴィトン財団(2014/11/2)    
ルイ・ヴィトン財団 追加写真 (2014/11/2)    
二つのダンス、二つの叫び(2015/5/20)   
身も心も(2015/5/23 

2016年4月10日日曜日

今度はサンドニ!

Nouvelle exposition "Garden Lab #2" à laquelle je participe : jusqu'au 28 avril, HCE Studio Galerie à Saint Denis.
Les mardi, jeudi et samedi de 15 à 18h ou sur RV..

En fait je parle un peu de la ville de Saint-Denis aussi bien que l'expo aux lecteurs japonais.
Vous les francophones, vous allez voir le lien ci-dessus à propos de l'expo.

エジプトの「王家の墓」がルクソールならば、フランスのそれはパリ北郊外のサンドニ!
写真のサンドニ大聖堂(Basilique de Saint-Denis)には歴代のフランス王が眠っている(ウィキ)

一方サンドニは19世紀より貧しい工業地区として知られ現在も移民層、特にヨーロッパ外からの移民が人口の30%以上で、目抜き通りのレビュブリック通りに出ると人並みも多いが街頭商人が一杯、「どこの国に来たのだろう」という新鮮な驚きとある種の熱気につつまれる。日本のヘンテコな「おフランス」というイメージに対して私は「フランスは第三世界の玄関口」と言っているのだが(蔑視的な意味ではなく歴史的現実的見地から)、まさにそれを証明してくれるような、、、。エキゾチックで楽しくもあるのだが、犯罪率も高くて、行くのを怖がるパリジャンも多い。

もう一つサンドニで有名なのはフランス最大のスタジアム。これが象徴するように近年都市開発が急速に進んでいる。


さて、今度の展覧会はそのサンドニ、前述レビュブリック通りのすぐ近くという「思いもかけない立地」のギャラリー。展示のメインは画廊のある小路地を緑化しようという民間主導型プロジェクト。雨樋の近くに植物を這わせるようにする。これは若きジュリアン君(Julien Bellenoue)とニコラス君(Nicolas Gimber) の設計。彼らはコンポストの写真をディジタル処理した作品も展示。同じく造園設計を勉強したアメリー嬢(Amélie Blachot)のヴェルサイユ宮の庭のプラタナスの輪郭をたどったドローイングとグルノーブル近郊の等高線ドローイング。ここまでが主題のガーデン・ラボで1階に展示、私の「海水デッサン」は「おまけ」で、主に2階の事務室に。

今回はそういう事情で画廊のGさんにアトリエで作品を選んで持って行ってもらい展示も画廊任せ、昨日のオープニングまでどんな展覧会か知らないままという、ガニーとは全く反対の贅沢(参考)をさせてもらった。

そのガニーの展覧会の終了後、作品が戻って来たので、アトリエを整理して収納スペースを作らねばと思っていながら何もしていなかった。だから突然「おまけ」として招待してもらって大きなデッサンを7品も持って行ってもらい、かつ南仏リュベロンの画廊にも卵三作を引き渡した。お陰で「大掃除」の必要がなくなり大助かり。

展覧会 Garden Lab #2 は4月28日まで
(火木土、午後3〜6時)


関連リンク:

HCE画廊
Julien Bellenoue
Nicolas Gimber


そう言えば1/11に紹介したニコラ・セスブロン君の不思議なアトリエもサンドニの工場跡でした。


注:聖堂の写真はPHという歴史遺産紹介サイトから、レパブリック通りはUne Balade à Saint Denis(サンドニ散歩)というサイトから転載しました
Note : j'ai pêché la photo due la Basilique du site PH et celle de rue République de site Une Balade à Saint Denis 








2016年3月30日水曜日

昨日、今日、明日

これが話題のタバレス代表
3/8に自動車のプジョー・シトロエングループが僅か2年で業績を回復し、従業員にボーナスを出したことに触れたが、この目覚ましい「立て直し」のご褒美にグループ代表の給料が昨年度2倍となり、年収524万ユーロ、1年365日で割ると日給約186万円! 
「労働者の年給を1日で稼ぐ。そんな馬鹿な〜」という声と同時に「手腕経営者には当然の報酬」という声も。実際ルノーのカルロス・ゴーンの給料はその3倍、アメリカの経営者はもっと高いそうで、、、。
そんなに稼いでどうするの? 「勿論税金を沢山払って社会貢献するためです」と言ってくれれば私も労働者も許すと思うけど(笑) 旧ブログ、3年前の「スポーツとしての資本主義」を参考にしてほしいですなー。

それから細かい推移は除くが、3ケ月以上も議論がされてきた「国籍剥奪法案」* は放棄されてしまった(大統領自ら法案放棄演説:勿論野党「共和党」の所為にして)。 
結果としては私はそれで良かったと思うが、なんだったのだろう。そして最近政府はテロ犯の「無期懲役」は絶対に「終身」とするという、これまた絶対テロ予防にならない法案を検討中。あーあ。

これが昨日、今日。そして明日はこれも3/8記の「反労働法改正」のデモと続きます
(これに関してもタバレス代表の給料同様、右岸と左岸からで意見が全く違う。端的な左岸からの観察は飛幡さんのブログをご参考に)

以上、平和と言えば平和な話題でした。 


*「国籍剥奪」に触れた以前の投稿
2/11 むなしき論争  
1/16 終わらない銀行と悲しい現実
12/5 二重国籍 誤謬訂正 
12/2 これでは安倍政権と変わりない




2016年3月29日火曜日

「不思議の谷」への旅

前回のハイテクアートがらみで、ロボットがサブテーマの "Persona, étrangement humain"(「ペルソナ奇妙に人間的な」)という展覧会を紹介しよう。

会場は「プリミティブ・民族アート」を展示するケ・ブランリ美術館、全体としては「人間の、他のものに人間を見いだす性向」がテーマで、美術館所蔵の呪術的なオブジェなどもあり4部門構成なのだが、ハイライトは日本のロボット博士の森正弘が名付けた「不思議の谷」、つまり機械が人間あるいは動物に似てくると最初のうちは似れば似るほど親近感がわくが、ある時点で急に違和(奇怪)感に反転する、そしてもっと似た高度なロボットになるとまた親近感が回復増加するという森氏の理論のネガティブ区間にスポットをあてている。でもこの谷の場所は明らかにその人の感性、時代、文化によるだろうからあまりピンとこなかったので、以下展示作品の紹介につとめましょう。興味のある人は次の詳しい説明でも読んで研究ください。

「不思議の谷」に入ってすぐ出て来たのは韓国 Wang Zi Won の「目玉」作品。目玉だけってのはそれだけでもう奇怪だと思うけど。私にはフランスのコインランドリーを思わせて面白かった。
彼女の「千手観音」(?)はこの展覧会のポスターになっていて、メトロなどで見ると「おお、すごそう」と期待してしまうが、意外に小品で少々がっかり。

目玉の横には私が好きなからくり人形系の「異様な」なメカ作品。作家は Stan Wannet というオランダの現代作家。私が美術館で撮ったのよりyoutubeに本人が投稿しているもののほうがよっぽどよいのでそれをリンク。




この作家は猿の剥製を使った、ボッシュ(ボス? Hieronymus Bosch 1450〜1516*)の絵 「手品師」をもじった作品も展示されていた。皮肉な感じで、 奇怪と言うより楽しいけれど。
youtubeを見ていたら横臥する剥製の兎がタイプライターを打っている作品(リンク)もありましたが、これはずーっと気味悪い。

それから彫刻を板状に切断して動かすジャック・ヴァナルスキ Jack Vanarsky(HP) の作品。


実はジャックは彼はご近所のCおばさんの旦那だった人で(09年逝去)、Cおばさんと娘さんは彼のアトリエを美術館の様にできないかと努力している。彼のことは書こうと思っていたけどそのままになっていた。後日紹介します。全般的にはジャックの作品も皮肉なユーモアものが多い。

そして最後にはインドの遊園地のキッチュな神様までいて、「不思議の谷」への旅のメカ編はとても「楽しめ」てしまった。

ローテク人形もので「気色悪い」のならやっぱり、以前にも紹介したチェコのヤン・シュヴァンクマイエル Jan Švankmajer のアニメ映画(youtube)ではないかと思うのだけど、どうでしょう? まさに「不思議の谷のアリス」! でもヤンさんはこの展覧会には入っていたかった。

 メカ編の後で日本のロボット開発のビデオとか 「不思議の谷」の部門だけでも全部見るのは大変ですので心して行って下さい。期間も長いのは何回も来いということか?

11月13日まで。サイト:仏語 英語



* 注:つまりボッシュは逝去500周年で今大きな展覧会がオランダの生誕地で開催中

ボッシュといえば「悦楽の園」にポケモンがいるこんな変な絵もありました。確かにボッシュも漫画と言えば漫画で笑っちゃいました。ちゃんと3屏風形の大作で、作家はWolfe von Lenkiewicz (HP)
これは「不思議の谷」へ入る前の章でした。


最後に苦い想い出:この展覧会は至極幅広いレパートリーの作品が多くて個人から貸し出しのも多いことに気がついた。実は数年前にここで企画された「雨」の テーマの展覧会の最後の壁に私の「雨の絵」を飾りたいと企画の民族学者のおばさんは言っていたのだが、最終的には個人蔵の作品の借出しできないとのことで没になった。それ以降方針が変わったか、作家の無名性ゆえだったのか? また言わずもがなの愚痴になりました〜☂

関連投稿2014/8/2 ストップモーション・アニメ展 

2016年3月25日金曜日

アートと科学の「怪しい」関係

昔はアート(ここでは美術)のお友達は「文学」と相場が決まっていたが、80年代頃からかその影は薄れ、最近はアートと科学の「デート」が目立ってきた。

いつでも「新しくなければ」との強迫観念に駆られた「現代アート」にとっては急速に進むテクノロジーは一つの突破口、キネティックアート(2013/4/19参考)はそのハシリだった。

私の学生時代はブラウン管に磁石を近づけて画像を歪めてたりするナムジュン・パイクなどが脚光を浴びていたが、「理科系」の私は「こんなのねー」と馬鹿にしていた。
しかし最近は世界的なデータベースの変化を視覚化したり、一方では空間の温度や湿度をコントロールして、美術館内に一瞬雲を作るアーティストとか、ちょっと簡単には真似できないハイテク系が増えて来た。

2/23に記事の内容とは関係なく右上の「霧」の写真を出したが、これはアートセンター104でされている「Matériarité de l'Invisible - l'archéologie des sens(不可視の物質性、感覚の考古学)」という展覧会のカプーアの作品。水槽の栓を抜くと渦ができる*のと同じように、天井の大きな吸引器に引かれた空気は渦状になる。私は空気の流れが見えるように床から水蒸気が出ているのだと思ったが、監視員は床下には何もないと言っていたのでちょっと謎。それは兎も角、こういうのはたいてい科学館に小さいものはあるが、大きくして体感できるようにしたら「現代アート」になった。これはさほどハイテクでもないが、数年前からスター的存在になっている86年モロッコ生まれのHicham Berrada は水槽の中に化学物質を散らしてはある物体がにょきにょき伸びて行くなどの不思議な「化学反応」を作品にしている(参考)。これはどんな成分なのかも私には全く想像もつかない。 前回書いたゲルモンとは違って経歴は美大だけだから「化学者スタッフ」と共同開発。
Hicham Berradaのビデオ

私は前回書いたように「中学理科クラブ」だから「科学館」大好き、だからこういう「現象観察」は好きです。科学館の展示の目的は「現象説明」のためだが、それ極力せず、「科学とアート、知識と直感、現実とバーチュアルを問題とし、、、」なんて難しいことで煙に巻くと「現代アート」になる。私は結果がそれなりに美しいからそれでいいと思うのだが。
しかし科学とアートのこの蜜月関係には何か釈然としないものが残る。それはおそらく「科学とアートは分かりあっているのだろうか?」という疑問。
学生の頃「素粒子論と禅は関係がある」などと言われると、どちらも分からないから「素晴らしい」と崇め上げていたものだが、今の現代美術ファンはハイテクアートを前にしてそういうところが大いにあると思う。分からないものは素晴らしく思える。そしてひょっとしたら(というよりおそらく)当事者、つまり科学者とアーティストはお互いにわからなくてツルんでいるのではないか? 
かつアーティストにはハイテクを戦略として使える、科学者にはアートがハイクラスな普及活動になるというようなお互い打算もあって愛し合っているのではと勘ぐっているのです。

Agapantheのお茶に砂糖の結晶作品
ところでセンター104の展示は他のアーティストの作品は「考古学」につられている作品が多い。一瞬「塩!」と思ったら砂糖だった結晶で覆われた出土品もどきとか(どうして蟻がこないのだろう?)、 、、
それと関係なさそうな移民が浜辺についたビデオは、坂田少年が昔見たテレビの「時間よ止まれ」みたいで面白かったが、一緒に行った若い友達は「3Dのソフトで作れるよ」と言っていた。前記ナムジュン・パイクではないが、ハイテクアートの驚きはかくなるように鑑賞者の科学技術知識に大いに左右されてしまう。だから科学音痴の美術評論家に受ける。

以上、科学もアートも低レベルで終わった私の偏見でした

*注:渦の出来るのは地球の自転によるコリオリの力ゆえと「科学館」でも習ったと思うが、今調べてみたらそれは誤りとのこと!(参考) 古い理科の知識はあてにならない。。。

実はゆっくり見ていたら、イベントがあって早く閉められ、大ホールの下に見ていない作品がある。まあいいかと思ったら係員に「あれは必見」と言われた。二度目は1 ユーロで入れてもらえるそうだが、でもまた行くの?「ちょっと遠いのだけれど」とはガニーに来て頂いた人の手前言えないですね☺

Rony Trockerのビデオを見る私

不可視の物質性、感覚の考古学」4月30日まで


関連投稿 

キネティックアート: 2013/4/19
カプーア:上の2013/4/19に加え
2014/7/19のカプーアとバイヤーズ
おまけ的に2015/11/2のヴェルサイユのカプーア

15/10/22の人工気候もちょっと関係あり