2017年1月3日火曜日

謹賀新年

写真は兄の年賀状の為に描いた「マンガ」。毎年11月末頃に考えるのだが、今年は米大統領選があったのであっさり簡単に出来上がった。トランプ様々。
選挙前のトランプの暴言を聞いていて(程度の差はあれ)サルコジと似たところがあると思っていた。「追い風」だった頃のサルコジは「えっ、そんなひどいこと言って!」と私が思う度に人気が上がった。米国事情は全くよくわからないが、選挙直前の女性侮蔑発言の後でもトランプ支持率が40%ぐらいまでしか下がらなかったのを見てひょっとしたらと思ったら、、、やっぱり。

二人ともエリートが歴然と存在する欧米社会での「大衆の心をくすぐる術」を知っていた。
過去形で書いたのは他でもないサルコジが右派の大統領候補選びの選挙であっさり一時選挙で敗退したから。今回は同じように暴言を吐いたがそれで人気が上がることはなかった。当然のことながら「暴言作戦」など誰でもできるがそれを「得点」に変えられたのはその時の本人のカリスマ性にあるのだろう。
大衆のエリート不信による「代表制民主主義」の危機が問われる現在、その大衆が暴言でくすぐられる愚民でしかないとしたら(というか、ここは仮定法過去:今日の大衆は愚民でしかないので)、本当に世の中どこに進むかわからない。

前述の右派大統領候補選挙の結果はサルコジの元での首相だったフィヨンが経済的にはリベラル、観念的には超保守の路線で圧勝、歴史的な不人気を続けたオランド(昨年10月の世論調査では「満足」と「どちらかというと満足」を合せてが4%(sourceもやっと出馬を諦めて、「オランド対サルコジ」という恐ろしいシナリオがなくなったのを私は喜ぶべきだと思うのだが「もっと悪くなった」というのが左翼系の人の口を揃えた意見。
「無風状態より暴風雨の方が楽しい」と思うのは昔から台風好きの私ゆえなのか?

昔「喉をかっ切られるのだけはいやだ」と言って笑われていたのだが、フランスにいてもそうなる確率がある社会になってしまった。あと15年ぐらいは生きられると思うけど「収容所で凍死するのも嫌だな」なんてと思うと現実になりかねないので、「それもまた一興か」と思うよう、心を律して新年に望みたいと思います。

では皆様良いお年を


過去の関連投稿
2013年4月26日: 飛行場から
2014年6月9日: フランス大統領のスピーチ
2014年7月7日:サルコジが戻ってくる 1年後のパート2







1 件のコメント:

  1. 「真っ裸でラクダの背に乗ってカンヌのカールトンホテルのロビーに乱入する方が、コメディーフランセーズでフェードルをうまく演ずるより有名になれるんだよね、近頃は・・・」"Pour être célèbre de nos jours, mieux vaut rentrer à poil sur le dos d'un chameau dans le hall du Carlton de Cannes que de bien jouer Phèdre à la Comédie Française " MICHEL GALABRU

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