ただの化学現象と言えば化学現象だが、こういう唐突な美しさを探して酸度を変えたり鉱物を調合したりする科学者はいないから、アーティストの彼がいなければこんな魅惑的世界は我らの前に現れなかった。

もちろんすべて化学者にサポートしてもらい技術探求したのだが、どこまで制御されているかは謎?
私は結局前回取り上げたような「織ったり編んだり」の手仕事で作り上げる世界より、こういう偶然性が高い、パラメーターは考えるけど後は自然にお任せする作品の方が好きみたいだ。(自分の作品でもかなりそうだが(笑))
といってもビーカ内の小宇宙をビデオできれいに再現するのも一筋縄ではないと思う。

彼は若き(86年生)売れっ子現代アーティストなのだが、シャイな少年風で、話すとただただ実験的制作が大好きでという気さくさが表れすごく好感が持てる。1年半前に郊外の町の修道院が改造されたアートセンター abbaye de maubuisson** で個展があり(あのときは記事にしなかったけど)、そのオープニングの時にも色々質問に答えてくれたので今回もちゃんとオープニングに行って話をして来ました。
kamel mennourのセーヌに近い第二スペース画廊
6, rue du Pont de Lodi 75006 Paris
にて4月13日まで
注
* 実は私は大学の時そういう方向に進む可能性があって「イソギンチャクの触手発生モデルやるか?」なんて担当教授に勧められたことを思い出した。今は昔
** そうそう、この旧修道院のアートセンターは2013年にシャプイザ兄弟の展覧会で大きくとりあげてました。
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