Deux expositions à recommander : LA CIME DU RÊVE et Alexandra FONTAINE
昨日は二つも良い展覧会を見た。一つ目はボージュ広場の一角にある「ヴィクトル・ユーゴの家」の特別展「LA CIME DU RÊVE (夢の頂)」
「ああ無情」のユーゴの名は世界に知られるが、画家としての隠れた才能を持っていた。とはいえ彼の天衣無縫な大胆なインクのデッサンは その時代のデッサンの枠組みから大きく外れていたのでまたもに見られることがなかった。というのもインクの染みを使ったり、文字を絵の中に組み入れたり、刺繍で押型を取ったり、フロッタージュをしたり、ステンシルを使ったり、はたまた子供のデッサンと自分のものを混ぜたり、技術的にはまるで「シューリアリスト」なのだ。とはいう訳でユーゴとシューリアリストの作品の類似性と相違を探るのがこの展覧会のテーマ。シューレアリスからしたら偉人の墓「パンテオン」に眠る詩人は敵の最たるものだが、破天荒なデッサンには一目置くしかなく(実際ユーゴのひ孫の嫁だったヴァレンチーヌ・ユーゴと「関係」があったアンドレ・ブルトンは、オリジナルを自由に目にすることができた)、一定の距離を置きつつも賞賛した。結果として無視されて来たユーゴのデッサンの価値を高めることになった。
写真の大作「ジャージー島の防波堤(Brise-lames à Jersey, 1852-1855)」でもよく観察すると色々なテクニックを使っている。この横にはフロタージュの柵の上に天体が浮かぶマックス・エルンストの絵が並びという具合に、意匠が似た作品が並べられていた。(注:エルンストの絵はサイトで拾ったので実際にあったものとは異なるかも)
例えば下のインクの染みの2点。 ピカビアは「聖なる処女」(1920)と題したが、ユーゴは当然だが単に「染み」(1852-56頃)としている。つまり「エスプリ」が違う。シューリアリストの(そして現代美術にも繋がる)「コンテクストの置き換え」という手法はユーゴには無縁なのだ。私にはユーゴが「染み」を作品としたかも疑問だが、これも含めて数々の貴重な作品が残ったのはユーゴの文学者としての名声のお陰。
ヴィクトル・ユーゴのデッサンは「ユーゴの家」の所蔵品なので特別展のために入れ換え差し替え、だからファンとして私はだいたい知っているはずだが、いつみても新鮮。但しデッサンに関する特別展がない場合は2、3点しか陳列してないことが多いので注意して下さい (常設展は、書斎とか中国風の食堂とか、、、まさに「ユーゴの家」です)
これはあと2週間のみ:2月16日まで。
日本の方は特別展サイトの下のビデオを見たら多少行った気になれるかも(最初に出てくる城の絵はユーゴらしくなく、ヴァレンチナ・ユーゴ作のように思われるのだが、、、まさかそんな間違えはないでしょうけど)
日本の方は特別展サイトの下のビデオを見たら多少行った気になれるかも(最初に出てくる城の絵はユーゴらしくなく、ヴァレンチナ・ユーゴ作のように思われるのだが、、、まさかそんな間違えはないでしょうけど)
これは多分細長い作品の一部 |
ご覧のように絵の中にユーゴに劣らぬダイナミックな風景が広がっていました。
ちょっと怖いような、
劇場地下の会場(Ecam:パリ近郊ですが地下鉄からすぐ)、なかなか立派です。これは余裕で3月29日まで
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