2024年9月10日火曜日

続 女性シュールレアリスト列伝  (ポンピドーセンター発)

アンドレ・ブルトンの「シュールレアリズム宣言」発行100周年に因んでポンピドーセンターで大規模な展覧会が始まった。その名も単に「シュールレアリズム」、副題はSurréalisme d'abord et toujours「まずは、そして常にシュールレアリズム」とでも訳そうか。

真ん中に「シュールレアリズム宣言」の本があって螺旋形にぐるぐるとテーマ別(つまり時系列ではない)に展示ホールを巡る。テーマは夢とか化け物とか夜とか、まあシュールレアリズムならそうでしょうという感じで、ポンピドーセンターとパリの近代美術館の持つコレクション、特に写真とドローイングがこれでもかというほど並べられている。そしてフランス国外からも私が何十年も見ていなかった代表作が来ているのでしっかり紹介を! 

ということには私のブログはならない。というのも私以上の専門の方々が色々書いてくださるに決まっているから(笑)

そこで今日はですね〜、2年前のヴェニスのビエンナーレの女性シュールレアリスト展に続き(その時の投稿)、こんな人知らなかった(あるいは記憶から消えていた)というビエンナーレにいなかったと思う女性画家をまず二人紹介(ただの受け売りですが)。

一人目は Yahne Le Toumeli 彼女は将来有名ジャーナリストになってエクスプレス誌の編集長になるJean-François Revelと結婚し彼の仕事のために1950-1952年にメキシコに行く。下の作品が彼女の「魔術師メルランの馬」というアーサー王神話に基づく作品だが、この女性的なマジックメルヘン的ストーリー性、誰かに似てませんか? 
ヴェニス・ビエンナーレの女性たちの記事をもう一度見て欲しいのだが、Yahneはメキシコで、ビエンナーレにテーマを与えたエルンストと別れたレオノラ・キャリントンと知り合い、大きく影響を受けた。52年にはRevel氏とは別れているが彼との間に二人の子供があり、息子はダライラマの通訳であり著作家などとしてフランスではよくマスコミにも出てくる超有名人物のMathieu Ricardなんですって! 彼女自身も67年に改宗、フランス初の尼さんだそうでまたびっくり。
兎に角この展示作品はまさにシュールレアリズムで、パリに戻って1957年に100作にものぼる作品の展示をした時にブルトンがカタログの序文を書いた。つまりポンピドーセンターの展覧会はアンドレ・ブルトンと雑誌シューリアリズムとの関係で60年代までに至る。彼女もその後は抽象絵画に向かうがブルトンもその頃にはアジア的なジェスチュアルな絵画もシューリアリズムに入れている(最後の「宇宙」のセクションにそういう作品があったが、ひょっとしたら彼女の作品だったのかも? 今度確かめてきます(後記:ではなかった)=最後はもうヘトヘト、一つ一つ見てられません)
 
Yahne Le Toumeli
 
もちろんこの展覧会ではキャリントンはもちろん、ビエンナーレの記事で紹介したドロテア・タニングビエンナーレで発見して感銘を受けたメキシコでのキャリントンのお友達のレメディオス・ヴァロ、それにパリ市美術館で素晴らしい回顧展のあったトワイヤンの作品はいっぱい、それにフィニやセージももちろんある。 

戦争の凄まじさをひしひしと感じさせるToyenのデッサン
 
 
さて話は戻って、知らなかった女性作家の二人目は Ithell Colquhoun。彼女はインド生まれでロンドンで勉強、錬金術、オカルトに熱中し、ケルト信仰とヒンズー教に始まりユダヤのカバルとか様々な世界のオカルトにはまり、いろいろな秘密結社に属し続けたのでシュールレアリストグループから追放された!
 
Ithell Colquhoun
 
これがその彼女の作品だがパステルカラーで「入江にボートが、、、」というには奇岩があまりにもファリックだよね〜。ここで彼女にスポットを当てたポンピドーセンターのページ(英語版もあり)を発見!でも学芸員さんの解釈だと岩は足(腿から膝)で下の海藻は恥毛、風呂に入りながらの自らへの眼差しだそうで、、、皆さんそんなふうに思えますか???このとき彼女まだ32歳、この皺皺はないでしょう?😅) 
それはともかく、最近評価が高まっていて近々テートギャラリーでも回顧展があるらしい
 
彼女は立石好きで次は「9つの貴石のダンス」というMerry Maidensという円形の石器時代の遺跡に関わる作品。そんな遺跡知らなかったので調べてみたら石は19立っているのだけど?参考サイト
 
Ithell Colquhoun
 
 
さて私とは同じ屋根の下で暮らした切っても切れない仲のドラ・マール意味のわからない方はこちらへモンタージュ写真が「ユビュ王」など5点並べて展示されていた(彼女は残っているシュールな作品少ないのでいつものものだが、なかなか質は高い)。そして彼女のダチでブルトンの2番目の奥さんジャックリーヌランバ、今回初めてまともな「作品らしい作品」を見た!(汚名挽回?!◎)
 
Jacqueline Lamba
 

では最後にローテクな錬金術士を描く私が結構お気に入りのレメディオス・ヴァロ

Remedios Varo
  
Remedios Varo 部分

Remedios Varo

 

以上何回もリンクを貼ったヴェニスからの過去投稿を見てもらわないと意味がわからないと思います。

そのページでリンクを貼った「3分でわかる」ブログも必読必見です。

 

以上で今度のあまりにも手に余る展覧会の紹介は「サヨナラ、サヨナラ」のはずだったのだが、出口のブックコーナーでびっくり、エルンストの絵を使った展覧会のポスターが「売り切れ、入荷待ち」だそうで。

私はエルンストの大ファンで、昨年もエクサン・プロヴァンスであった展覧会も見に行った。そこで「一緒に行かないか」と誘ったプロヴァンスの知り合いが「エイゾウ、エルンストなんか好きなの?」と怪訝だった。というのもエルンストのイメージはこのポスターが代表するような具象性の謎めいた油絵が一般的で、今度のポンピドーのシュールレアリズム展のポスターにも使われて、またまたそういうイメージがはびこってしまうのではと地下鉄などで見るたびに心配になっていたのだ。私的にはもちろん初期の本の"une semaine de bonté"などのコラージュなど秀逸だが(これにブルトンはまず惚れ込んだ)、私がエルンストが大作家たる所以は子供でもできるフロッタージュ(擦り絵)やデカルコマニー(転写:乾いてない絵に紙をくっつけて偶然性の模様を作る)を文字通り昇華させた宇宙観を思わせる作品群なのだ。今回見に行って「森」のセクターにも「宇宙」のセクターにも代表作が国外から来ていて安心したが、最後の方なので多くの人は疲れて碌に見ていないのでやはり誤解は解けないのではと心配にもなった次第。
 
 
上はエルンストの「森」シリーズを並べた壁で左にもう一点大作がある。一番右はドイツロマン派のダヴィッド・フリードリッヒ。もちろんシューレアリズムは1日にしてならずで、美術史の延長上にあるのだが、フリードリッヒがあるなら「ゴヤの黒い絵とか何故ないの〜」とか、かなり疑問を感じた蛇足的一点(もちろん私はフリードリッヒも大好きですが)
 
最後はエルンストの「ウサギウサギ、何見て跳ねる」(本当の題は「銀河の誕生」)で締めくくり。素晴らしい!(円盤の白い点々も近くで見ると色が違っていたりして凝っています)
 

 
(これは上の「森」シリーズの大作同様スイスから来てます。つまり私の好きなシリーズはグッゲンハイムとかフランス国外にあるので、これもなかなかフランス人のエルンストへの誤解が解けない理由だと思う)
 

2024年9月8日日曜日

Pierrick Sorin  ピエリック・ソラン展

Mon opinion notable : 1) Le monde de Soran est dans la lignée de celui de Baster Keaton. 
2) Son travail que j'apprécie le plus reste toujours "Nantes projets d’artistes"

8月末にまたロワール川河口沖の大西洋に浮かぶユー島のKさん宅に4年ぶりにお世話になった。我が愛するユー島へ行くのはフェリーの時間が潮の満ち引きで毎日変わるので鉄道、バスとの連絡が微妙で旅行計画が立てにくいのだが今回はその点ではロス時間の少ない、とはいえサンヴァーの失敗もあったので乗り換え時間もリーズナブルに余裕のある見事と言える計画を立てて悦に行っていたのだが、着いた日と翌日は晴天だったもののあとは天気が悪くて、少し切り上げてナントへ。(ユー島に関する参考過去投稿)

ナントではこれも以前書いたことのある"Voyage à Nantes"というアートフェステイバル(参考過去投稿が夏に行われていて、パリに戻るついでに少し見ようかと思っていたが、プログラムを見るとフェステイバルが9日まで続くのに美術館で開催中だったピエリック・ソラン展の最終日が9月1日、これが回顧展風で芳しからぬ天気の島よりこっちのほうに賭けるかと。。。
 
 
ピエリック・ソランを知ったのはこのブログの最後にリンクした「ナントのアーティストプロジェクト」( Nantes projets d’artistes)という2001年のビデオ。ここでは自分が変装したヨーロッパの新進気鋭の現代アーティストが自分の作品を紹介するTV番組という趣で、いかにも現代アーティスト風の風貌と解説で、本当にできたら面白そうな規模の大きいインスタレーションプロジェクトが紹介される(もちろんTV番組ではモンタージュで実際に存在している)。つまり「現代アート」の自虐的抱腹絶倒のパロディー。でもそのナントにて2011年から街中にインスタレーションのある "Voyage à Nantes" が開催されるようになり、妄想プロジェクトも現代の最新デジタル技術を駆使すればできそうなものもあって、美術館でこのビデオをみていた子供たちは本当にあったことと思ってしまわないか心配になってしまう(笑)

彼はその後、舞台模型とビデオ、ホログラムを掛け合わせた昔のお祭りの「出し物」のようなオプチカルシアターといえそうなものをどんどん発表、それがすべて滑稽な道化的なもので、それで会場にも子供が多かった。すべてに馬鹿を真面目にやる自虐性というのがキーになっていて、その趣はキートン、タチの延長線上だと思う。
 
このオプチカルシアターばかりだと飽きるのだが、今回は宇宙飛行士が月の石を取るところを最終ビデオには見えなくなる黒子さん(実際は青い衣装だった)と一緒に演技するメーキングオブを作品と並べてみせたり、ビデオの見せ方も一工夫している。
 
次は私のインスタから掲載:
 
最初のビデオは覗く窓の後ろの壁に美術館のコレクションからの一枚の絵があり、なんのことだろうなと思って覗くとピエリック君に「あなたが邪魔で絵が見えない」と言われる。これは1989年の初めてのビデオインスタレーション作品のリメイク。
 
2〜4枚目のはやはり真剣そのものにガラス拭き絵画を行っているが5枚目がその裏側で半透明でそこにいる人影なども微妙に正面から見えるようになっている。
 

 

私の彼の好きなところはなんといってもその自虐的なところと工作少年のようなローテク性。
この自虐性というのは謙虚なんて何の美德にもならぬ、自己アピールの強さが問われるフランス(&/or)美術社会で極めて稀な例だと思うのです。
 
全部見ての結論は、、、やっぱり「ナントのアーティストプロジェクト」が一番じゃない? (フランス語しかなくて残念ですが)
 
 
これは本当のTV番組から。彼の作品の大体の感じはわかるでしょう。
 

 

 

これが最高傑作と私が一推しする「ナントのアーティストプロジェクト」Nantes projets d’artistes, 2001


お分かりのとおりソラン展も"Voyage à Nantes”も終了。後者では街を歩いて偶然出会した作品は紹介するほどのものはなかった。

2024年8月17日土曜日

オリンピック・ドローイング? (Comment voir mon "olympic drawing")

Petite note en français :
Je vous explique comment voir mon "olympic drawing".
En fait mes dessins ont été inspirés par les matchs de handball féminin que j'ai suivis, surtout par le match France - Suède.
1) S'il s'agit d'une joueuse , c'est la gardienne de but, surtout avant un tir au but, elle reste prête avec ses bras et ses jambes qui s'agitent.
2) Vous pouvez y voir deux joueuses : une attaquante et une défenseure qui se battent. Peut être l'une à gauche et l'autre à droite, mais peut aussi voir comme les deux en diagonal.
3) Cela pourrait être l'image chronologique où une attaquante prend une passe, se retourne et plonge pour tirer.
N'est-ce pas là une belle œuvre qui suggère plusieurs façons de l'interpréter ? Bien sûr, vous n'êtes pas obligé de la regarder de cette manière.
Peut-être influencé, sans le chercher forcément, par les danseurs de Matisse" ou l'acrobate de Picasso, mais surtout pas par le football de Nicolas de Staël.
 
日本の暑さから見ればなんでもないパリだが月曜には37ー8度になった。
私の海水ドローイングは温度が高い方が水の蒸発が早いのでなかなかの好条件、かつ先週サン・ヴァー (Saint-Vaast)の遠浅の島タティウ (L'ile Tatihou)で自ら海水を採ってきたばかり投稿)加えて日本に戻りっぱなしで制作欲求がたまっている。天気予報を見て「ここで勝負しねければ!」と思ったが何を描くか?
 
幸にしてオリンピック中継があってその熱戦からヒントを得た。
 
 
 
これが作品だがなんの競技かをFBでクイズにしたらなかなかの難問だったようだった。 
 
答えは女子ハンドボール。強いて言えば特に延長戦にもつれ込んだフランス対スエーデン戦
 
なぜ女子ハンドなの?というのは団体球技、一般的に私が好きで応援する気になるのは女子。
 
男子は技術+体力があまりにも超越しすぎていて見ていて何が起きたかわからなく、異星人のショーあるいは特撮映画でも見るが如くで隔たりを感じてしまう。その点女子は少しゆっくりで、もちろんレベルはとても高いのだが一応フォロー可能、それだけに親身になれる(笑)。
 
ではこのドローイングのどこがハンドボールか?(どう見たらいいのか)?
 
ご説明いたします 。
 
1)一人の選手としたらゴールキーパー、特にペナルティーシュートの前だが、手足をバタバタさせて準備している
 
2)ディフェンスとオフェンスの二人の凌ぎ合い。右と左の二人と見ても、対角線状とも解釈可能
 
3)時系列にパスをとって振り返って飛び込みシュート
 
という色々な見方を示唆する(勿論そう見なくてもいい)素晴らしい作品でないでしょうか。
意識・無意識にマチスのダンスとかピカソのアクロバットとかに影響されてだろうが、間違えてもニコラ・ド・スタールのサッカーなんかとは無縁です。
 
ともかくあの試合は白熱戦で、ハンドボールに無縁、かつフランスを特に応援するわけでもない私の目頭が熱くなって自ら驚いたほどだった。下のビデオのサウンドの中継アナウサーも解説者も本気で興奮してるでしょ。女性解説者が「ア〜」って言うでしょ。あれはかなり感情がほとばしったときの仏女性特有(じゃないかな?)と私は思っている表現で、日本人だと息吐き出しながら「ア〜」いうけど吸いながら音出すんだよね。フランス語で真似できない発音いっぱいあるけど、あれも真似できない。
 

 
この大きめ(100x70cm)の新シリーズを4作描いたら疲れた〜。
「そのぐらいで?」と思われるだろうが、描く前に紙を湿らしてその周囲をパネルに紙テープでピンと張るように固定する下準備もあり=これがなかなか注意のいる作業(失敗すると乾いた紙は波打ってやりなし)、また私のデッサンは半ば自然任せと言いつつも、描くのも滅多なことでは乾いてから加筆ということをしないので結構緊張するのです。
 
そして今日はもう土曜、「そろそろまたやるか〜」と思ったが朝から雨がしとしと、湿度は高いし結構寒くてお休みです。

2024年8月5日月曜日

牡蠣の産地のサン・ヴァー紀行

 
フランス北西部、コタンタン地方(最も知られた町は半島の北端のシェルブール)の、Saint-Vaastと書いてサン・ヴァーとしか読まない町の本屋の上のアパート的スペースでグループ展を企画してもらっている。小さな空間に10人ものアーティストで一体どうなるやらと思ったが、私の協力もあり(笑)、上のFBに出したビデオの様になかなかうまく展示された。といっても水曜には私の作品を中心にし(それで私は来たのだが)、3日後の土曜には違う画家にスポットをと、しょっちゅう模様替えをするという変わった形式の展覧会。こういうのが作品販売(もちろんそれが目的)にプラスするのかどうか私にはよくわからないが、私としては夏のバカンスの展覧会で作品が売れるなんてことはほぼ皆無なので、まあ好きなようにやってみてくださいという感じ。 

 
水から牡蠣の殻のかけらを除くのが意外に大変だった
知らなかったけどこの
サンヴァーは2019年にフランス人に最も好まれる町に選ばれるという栄誉を得たらしいが、どうなんだろうなー? 問題はこの「最も」というところ。
普通のレベルのきれいな漁港+マリーナの街に思えてしまうが。
 
今回の滞在の結果で私がサンヴァーに与える好得点は、フランス全土猛暑だったのに涼しかった〜!(天気予報を見るといつもコタンタン半島だけが温度が低い)
それに加えてあるいはそれ以上にここは牡蠣の養殖で知られる地で、展覧会を企画してくれた夫婦宅で最初は牡蠣三昧。生牡蠣に始まって、牡蠣のジュレ(牡蠣はさっと湯通し、牡蠣の殻の中に入っている海水をゼリーにして牡蠣に添える!)、牡蠣とネギのクリームスープ、それに台湾発祥らしい牡蠣のオムレツと、このまま行くとどうなるかというデビューだったが夫婦宅に同宿だった大の料理好きのL君がカスレを作って去った後は普通に戻った(笑)
 
出身地の名物料理カスレを調理中のL君
牡蠣の養殖にメリットがあるのかどうか知らないが、砂の浜辺が浅く長いので引き潮だと牡蠣の養殖の棚があらわになり、沖にあるかつての要塞のあるタティウ島へ歩いてわたれるようになる。この満ち引きのため4輪のついたヘンテコなボートが運行している。 その他タティウ島 (L'ile Tatihou) とサンヴァーに関しては日本語ウィキがあったのでご参考に
 
着いたそうそうオリンピックの開会式についての意見を聞かれ「テレビのショービズの世界じゃないの 」と批判的な意見を言ってシラ〜という雰囲気で始まった滞在だったが、(家の人ばかりか実際滞在中会った人は100パー開会式に絶賛の言葉を惜しまないひとばかりだった。私は盲目か? 「ながら」で見ててもスゴイ時はわかるはずだけど、、、。 困ったことに批判しているのは極右の人たちぐらいしかいないらしくて、、、(私とは理由が違うが)😅)
 
とはいえ皆さん親切だから無事に終わった滞在だったが、最後の最後に〜〜〜
 
港の臨時遊園地のために経路変更となってバス停が変わったバスに荷物を引き引き走ってやっと間に合ったと思ったら、そのバスの遅れで電車に間一髪間で合わず(多分あと10秒早かったら???)、、、
只今一本遅い列車でパリに向かい中(最近はローカル線の特急でもWiFiが使えます)。
 遅れたバスは地方が運営している(財源を割いている)。1.5 € で随分遠くまでいける素晴らしいバスなのだけど、仏国鉄はそのバスの乗り換えが来ようが来まいが全くおかまいなし。これじゃせっかく整備しても公共交通に乗る人少ないの当たり前!(実際仏国鉄の駅まで乗ったバスの乗客は私一人だった。ちなみに仏国鉄サイトでサンヴァーからパリで探索するとバスと電車が連絡しているケースとしてでてきます) 
 
 
しかしこんなことで展覧会しつつ赤字を増やすなんて、つらいな〜(悲) :楽しくバカンスさせてもらったから仕方ないって声が聞こえてきそうだけど、プロフェッショナルたるプライドが許さんです。
 
 

 
後記:会期が終わって本屋から会計報告、結果はしっかり黒字になっていました🎵

2024年7月26日金曜日

パリの空気と日本の空気

in bocca al lupo!
土曜の朝のフライトでフランスへ戻った。実は日曜と勘違いしていたので冷や汗:最近そんなことが多すぎて母親がボケ始めたときのことを思い出させる。かつ京都のアパートの購入*もその母親が私の残してくれた家のおかげだからますます申し訳ないとマザコンをまた背負い、困った〜! というか「母親は出来の悪い子どもを愛するもの」だから仕方がないともう諦め。イタリア語で「幸運を!」というのを「狼の口の中へ」(in bocca al lupo) というそうで、食べられるのかと思いきや、親狼が小狼の安全確保に口の中にかくまうというということらしい ****。日本もイタリアもマンマミーア! だから情けながらず、まさに「幸運」と思うしかないですよね(本当にそうだし)。

幸運といえば羽田からのフライトはオリンピックのバトミントンチーム(オリンピック選手でもエコノミークラス!)と同乗で、多分そのおかげで(?)結構座席に余裕があって、私は3席使えた!こんなこと十数年ぶりか。ラッキーでした😄

 
そしてパリに戻ってきていつもすぐに感じることは、自由な空気な漂っていること。
逆に日本で漂っているものは規律かなー?
この全く反対の概念に思える自由と規律 ** だが、「自由半分規律半分で中庸がいいよ」なんてのが普通安易な意見だろうが、「規律ある自由」というのは容易に考えられても「自由ある規律」というのは随分肩苦しそうな気がする。 つまり前者では自由に対して自らの心で自分を律しうるのに対して、後者では社会から押しつけられた規律で少し自由を味合わさせてもらう様な、ほぼ全体主義下の選挙の様な気がしてしまう。以上自由も規律も自らが選びうるものとして考えたことで、規律が規則となると肩苦しいから息苦しいになる。昔日本人の知り合いから「だって規則は守るためにあるんでしょ」と言われて呆れ果てたことがあったが、これが日本の教育の成果なのだろう。(太秦いいけどやっぱり日本には帰れないかなー)***
 
その自由が漂うはずのパリの空気がセーヌ川沿いで滞っている。
単純にオリンピック(開会式?)のせいで通らせてもらえないのだ。せっかくパリの自転車ヴェリブに乗ってもすぐに行き止まり😅  4ヶ月日本にいた私にはびっくりだがパリの人はもう疎開していて随分人が少なくて、いつもなら歩行者がいっぱいのサンジェルマン近くの路上カフェ席の連なる通りもヴェリブですいすい。セーヌを渡る(反対側に行く)ために乗った混んでることの多いパリを南北に縦断する4番線メトロもがら空きで日本ボケの私にはビックリの連続。移動の自由が制限されちょっとした戒厳令下(マクロンは戦争体制大好きだから)だなと思うが、メトロにオリンピック反対のステッカーを貼った環境派運動員は警察に勾留されて750€の罰金とか。オリンピックは挙国一致
 
フランスの金メダルはなんといってもペタンクでしょう(笑)
 
 
注および訂正(?)
 
 
** 自由と規律なんていう読書感想文を書かせられる様な岩波新書の本があったが、何が書いてあったか全く覚えていない。ここでうまく引用できる記憶力があったなら私も文化人になれたかもしれないが、、、

*** 法律は守るためにあるのではなく、法律は我々を守るためにある

**** これは私のイタリア人との文通で教わったことで、〜へというalだからおかしいなとその後wikiを見てみたら全然解釈違っていました、、、文章の流れからもう変更できませんので 悪しからず。

 

2024年7月23日火曜日

名古屋での展覧会のまとめ? Résumé de l'exposition à Nagoya ?

 
 
4月の名古屋でのグループ展「ひとのかたち」のまとめ?  facebookへの投稿のコピーでしかありませんが、なんだかずーっと忙しくて、ほぼ4ヶ月、作品も作らず荷物整理ばっかり(何故かパリでも)で、心が亡んでいます(=忙)
 
Résumé de l'exposition collective à Nagoya du mois d'avril ? Ce n'est que la copie de mes nouvelles sur facebook, mais vous y trouverez des commentaires français. En fait j'étais assez occupé depuis 4 mois, pendant les quelles je ne faisais que du tri des affaires, et  même au retour à Paris ça continue ...
 


2024年7月11日木曜日

京の夏、汗をかきかき考えたこと

前回のブログで掲載し損なったコロッケを揚げてくれる肉屋さん。コロッケ八十円はこの界隈では相場のようで、素晴らしい! 前回紹介したように「時に残されたスポット」らしくトタン壁も錆びてなかなかうらぶれているが、この「大映通り」、かつての映画の最盛期にはおおいに賑わいパチンコ屋も5軒あったとか(なくてよかった。勿論あったら引っ越してくることはなかっただろう(笑))。現在の映画通りは前回紹介したような変わった店ばかりでなく、フランス料理店やフランスパン屋、ワールド創作料理の店もある。いったいこの通りは今後どのように変わっていくのだろう?興味津々

 
さて、私の自慢のバルコニーからの景色**多分あまり変わることがないはず(というのはもうこの地域には高いビルが建てられなくなっているので😄)、その写真を見て、私の建物はかつての大映の映画撮影所の跡地にあるのではないかとある友人がメールしてきてくれた。その通り、マンションの建物の入り口にはその簡単な石碑がある。調べてみるとここで黒沢の「羅生門」とか溝口の「雨月物語」が撮られたとのこと。そのような場所に図らずも住むことになり感動!

 
感動はいいが、ともかく暑い。といっても今朝起きて百円ショップで買った温度計を見ると26度。温度計が狂っているのか私の身体が狂っているのか。私のアパートは6階でそれなりにいい風がはいってきているのに、長年ヨーロッパの夏に慣れた、かつそもそもあまり汗をかかないはずの私の皮膚からじわーっと汗が出てくる。
汗をかくのは私のみでなく私の海水ドローイングもそうなることがあって!*(塩の結晶が水分を吸って水滴になる)、実際日本で展示するのは文字通り冷や汗ものなのだが、近年すごく乾燥した南仏プロヴァンスやそれなりに湿度が高い地中海の島とか、異なった場所で制作し、その作品をまた異なった場所で展示した経験から、ひょっとすると塩の結晶の湿度に対する耐性が普遍的な物理定数ではなく、結晶ができた場所の温度・湿度に関係しているのはないかという気がしてきている。つまりプロヴァンスの乾燥した気候でできた塩の結晶は日本の湿度の前でタジタジとなるが、日本の梅雨の下で生まれた結晶は同じぐらいの高湿度はなんのそのではないかと(そうでなければ結晶ができたことすら筋が合わない)。
 
実験作品、一部拡大
そこで少し実験。友達にもらったシチリアの岩塩(これがどんどん水に溶けるので少し驚きだったが)、それと墨がないのでフランスの友達に買ってきてくれと頼まれて既に旅行カバンに入れられていた柿汁を代わりに使って単純なモチーフを描いてみた。数日前にできた結晶は雨を待つような今日の湿度にも耐えている。だから梅雨の日本で描けば天下無敵の作品ができる! だが逆に作家本人の方が危ない:ヘナヘナで単純な小さなモチーフ以上のことは今のところできそうもない。
 
 
関連投稿
 
* 汗をかく私のドローイングに関してはドラ・マールの家での展覧会前夜の事件
 
** バルコニーからの180度の展望はコチラ