2015年1月8日木曜日

パリ・テロ事件の波紋

昨日、風刺画が売り物のフランスの週刊新聞「シャルリー・エブド(Charlie Hebdo)」の事務所が7日、自動小銃を持った男らに襲撃され12人が殺害された(内2人は警官)。新年初の編集会議が狙われ、風刺画家であり発行人のCharb、フランスを代表する風刺画家のWolinskiとCabu、経済学者のBernard Marisという中心人物がテロの犠牲となった。
「阿呆どもに愛されるのはツライ!」
同紙はモハメッドのイラストを何度も載せてイスラム団体などに批判され、2011年には事務所に火炎瓶が投げ込まれたこうした脅威に対してCharb氏は「ひざまずくぐらいなら立ったまま死ぬ」と予言的なことまで言っていた)。事件の経過は当然日本で報道されているでそちらを参考にしてもらうことにするが(例えば一般的に朝日新聞そして日本の方には馴染みのないこの風刺新聞に関する日本語解説はこちら)、
この明らかに計画的なプロの殺し屋風の襲撃だったにもかかわらず、乗り捨てた盗んだ車にDNAの跡(髪の毛かな?) のみならず一人の身分証明証まであり、なんか変に思われる。今のところその容疑者兄弟は警察網に包囲されていると言えどまだ逃亡中。

「自由・平等・博愛」を体現するフランスで起きた、おそらく(確実に)フランス人のイスラム過激派の犯行(フランスから約千人の若者がシリアに聖戦に行くという驚くべき背景もある)のショックはフランスのみならず、同じ問題を抱えるヨーロッパ各国の動揺は日本では考えられないほど大きい。
パリ、あるいは仏、ヨーロッパ主要都市では既に昨晩から市民が広場に集まり、テロに反対する連帯精神を示している(こういうところはフランス、ヨーロッパは素晴らしい)。そして日曜日の午後には政府が「挙国一致」のデモを呼びかけたのだが、呼びかける政党から極右のFNを「共和的政党ではない」という理由で外すことにした。勿論私はFNは人種差別政党と思うが、前回の選挙で20%以上の支持率があり議員までいる(参考記事:3/3)。当然外せば党首マリー・ルペンはそれみたことかと旧政党を逆に反動的と批判するし、参加させれば普通の政党としての「お墨付き」を与えることになる。かくなる愚かな罠にはまってしまったのだが、もともとこの「言論の自由を踏みにじるテロ」に反対するデモにどうして政党主義が必要なのか? 反対する個人(市民)として呼びかければどの政治家も来ないではいられないのに。今からでもそうした方がいいと言うのが私の提案。
生粋の左翼の人には嫌われるでしょうが、それでマリー・ルペンが来るのはこの今致し方ないと思う。
彼女は「イスラム教徒と過激派を混同してはいけない」と言いつつ、「死刑復活」を国民投票にと得意の攪乱戦略にでているが、極右も過激派も全員で「寄り切って押し出す」しかない。
その「死刑の廃止」の立役者ミッテラン時代の法相 Robert Badinterが「ジャーナリストは言論の自由の最前線にいる。彼らが襲われたのは我々の自由が標的となっているのだ」ということを言っていたが、まさにその通りだと思った。

0 件のコメント:

コメントを投稿