2015年1月28日水曜日

名古屋に行くシャーリー・ヘブド

あー、日本での個展、作品はいくらでもあるから準備というほどのこともないといえばないのだが、何でも持って行ける訳でない。今回は画廊に「毎日のデッサン」からチョイスしてもらったが、既に額に入っているものはそのまま運ぶからパッキングに知恵をしぼる。例えば写真は絵を観音開きで見せるという工夫ではなく、大きな額の中に小さな額がぴったり入るようにボール紙を切って固定できるようにしているところ。「作品」より梱包の方が余程手が込んでいる!

展示のメインは「海水のデッサン」だが、それに付随して世界の海水を汲んで来てくれた友達をインタビューしたビデオ、かつ画廊内に「死海」の水でのインスタレーションもする。

そして昨日は新しいシリーズ(になるか?:つまり第一作)の「フランス、名画の旅」のためにモンマルトルまで行って、グーグルマップのストリートビューから私がしたスケッチを持ち、ユトリロの描いた劇場前で写真撮影(実は数日前に行ったのだが、実家にあった1965年の日本での「ユトリロ展」*の時の絵葉書と私のデッサンと写真を組み合わせてみると写真のフレーミングが気に入らなくで撮り直しに行った)。写真はデッサンブログに載せましたので御参考に

加えて画廊ではシャーリー・ヘブド紙がどのようなものであるか、700万部も刷られたかの有名な 1/14日号を手にとって見てもらおうと思う。というのも本物を知らないと事件故に「言論・表現の自由」の活動家の新聞(脅迫にもめげず発刊し続けたからそれはそうなのだが)的な硬派のイメージが出来上がってしまいかねないと思うから。実際はイスラムだけでなく、ローマ法王も、勿論政治家も、すべてを頻繁に「下ネタ」を使って茶化す新聞で(もし私に本当に信仰があればまともに取り合わないだろう)、12人が「暗殺」されなければ世界から注目されるはずのなかったごくマイナーなジョーク紙なのだ(売上げ3万部ほどでそれこそ破産寸前だった)。マイナーぶりはおそらく言葉がわからなくても薄々は感じてもらえると思う。私はかくなる新聞が脅迫されて警官の護衛を要したという社会状況がすでに異常であり、襲撃されたことに大多数のフランス市民がショックと怒りを感じたのはやはり当然のことと今更思う。

*注:この展覧会、小学生の英三少年は見ています。特に感動はしなかったが女性のお尻がタマネギ型だったことは今でも覚えている 。今や自分がパリに住むことなったが、女性の臀部を見て「タマネギのよう」と思ったことは幸いにしてまだない。

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